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診断と治療のTopics

抗HIV治療における長期作用型薬剤

立川夏夫

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.10 No.1, 39-51, 2019

長期作用型薬剤はHIV治療において最も重要な「内服率問題」を劇的に解決する可能性がある。2019年時点では「cabotegravir(筋注)+rilpivirine(筋注)」が最も実現性のある候補である。維持療法の時点でのLATTE試験では,ウイルス学的成功率は4週間間隔群87%,8週間間隔群94%,内服継続群84%と筋注群では良好な結果であったが,8週間群では薬剤耐性が2例で認められ,4週間群が以後選択されることとなった。維持療法期の効果を検討したATLAS試験においても,やはり薬剤耐性変異を伴う失敗例が認められ,血中薬剤濃度の問題がまだあることが示されたが,全体的には非常に優れた結果であった。
今までの核酸類似体逆転写酵素阻害剤は「3′-OH基」を欠損させることでRTのchain terminatorとして作用していた。しかし,新規逆転写酵素阻害剤であるEFdAは,「3′-OH基」を残したままでも「dNの4′位に置換基を導入する(4′SdN)こと」でchain terminator作用が獲得された薬剤であった。この薬剤は予想以上に半減期が長く,細胞内3リン酸型薬剤濃度の半減期は78.5~128時間と長時間であった。
ほかに膣内リングや皮下留置デバイスなど多数の研究がなされ,長期作用型薬剤は最も注目すべき事項である。
「KEY WORDS」長期作用型薬剤,cabotegravir,rilpivirine,膣内リング,皮下留置デバイス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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