1996年に有効な抗HIV治療(antiretroviral therapy;ART)が導入され,HIV感染者(people with human immunodeficiency virus;PWHIV)の死亡率は大幅に減少してきている。一方でPWHIVにおいては,いくつかの悪性腫瘍罹患のリスクが高いことが知られており1),これは免疫機能の不完全さ,ヒトパピローマウイルスや肝炎ウイルスとの共感染,喫煙の関与が考えられている。PWHIVでの悪性腫瘍は,AIDS関連悪性腫瘍(AIDS-defining cancers;ADCs)と非AIDS関連悪性腫瘍(non-AIDS-defining cancers;NADCs)の2種類に大きく分けられる。AIDS関連死は減少してきているものの,ADCsを含め依然相当数あり,さらにARTによってもたらされた長期予後がPWHIVの高齢化をもたらし,NADCsの総数も増加傾向にあるのが現状である。本研究は,1995~2009年に北米でARTが導入されているPWHIVを対象に,悪性腫瘍が死亡率に与える影響について検討している2)。
RELATED ARTICLES
HIV感染者の悪性腫瘍に関連した死亡率に関しての検討
掲載誌
HIV感染症とAIDSの治療
Vol.9 No.1 58-60,
2018
著者名
小川吉彦
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
感染症
/
癌
診療科目
腫瘍内科
媒体
HIV感染症とAIDSの治療
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。