診断と治療のTopics
血友病患者の関節リハビリテーション
HIV感染症とAIDSの治療 Vol.8 No.1, 20-25, 2017
1980年代前半,主に血友病患者に対し,加熱などでウイルスを不活性化しなかった凝固因子製剤(非加熱製剤)を治療に使用したことにより,多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した。本邦では全血友病患者の約4割にあたる1,800名がHIVに感染し,うち約400名以上がすでに死亡しているといわれる。しかしながら,HIVや肝炎に対する治療の進歩から生命予後は改善し,薬害HIV血友病患者も30歳代後半から60歳代までになっている。
血友病患者の中高年齢化に伴い,運動機能の低下が問題となりつつあり,血友病関節症に対する正しい理解と対応,運動機能維持改善の必要性,主治医からリハビリテーション科への適切なコンサルテーションが重要である。
「KEY WORDS」HIV感染血友病患者,血友病性関節症,障害者の高齢化,ADL,リハビリテーション
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