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Case Report

フルチカゾン点鼻薬とリトナビル併用により医原性クッシング症候群をきたした1例

関谷綾子

HIV感染症とAIDSの治療 Vol.7 No.1, 47-50, 2016

「緒言」リトナビルはcytochrome P450 3A4(CYP3A4)阻害作用をもち,他のプロテアーゼ阻害薬(protease inhibitor;PI)の投与量を減らしつつも安定した高い血中濃度を保つブースター効果で抗HIV薬として頻用されている。フルチカゾン点鼻薬はアレルギー性鼻炎において使用され,アレルギー性鼻炎を対象とした海外の臨床試験において,本剤110μgを1日1回6週間投与した場合,視床下部-下垂体-副腎皮質系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis;HPA系)機能への影響は認められなかった。よって,フルチカゾン点鼻薬は通常使用においてHPA系の明らかな副作用をきたしにくいことが知られている1)2)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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