「Summary」初期HIV-1感染症は,顕在化する率が48~88%と幅がある。有症状時にも,症状の中心は非特異的症状(発熱,不快感/疲労感,咽頭炎,リンパ節腫大,体重減少,頭痛,寝汗,筋肉痛,関節痛)であり,そのため診断としての困難さがある。初期HIV-1感染症症状は,最初が重要な検査の契機である。伝染性単核症が疑われる場合にはHIV-1の初感染が鑑別となるが,皮疹(12~47%),口腔潰瘍(9~12%),陰部潰瘍(3%),肝障害(21~61%),血小板減少(37~60%)も初期HIV-1感染症を鑑別すべき事項であり注意が必要である。初感染の時期は,高いウイルス量や活発な性的活動性より感染伝播の潜在性の強い時期であることも重要な事項である。しかし,早期の治療介入はHIV-1リザーバー量を縮小させる可能性があり,治療開始の時期としても重要な事項である。
「Key words」伝染性単核症,感染伝播,ウイルスリザーバー
「Key words」伝染性単核症,感染伝播,ウイルスリザーバー