Trend & Topics 痛みと睡眠
痛みと睡眠障害
掲載誌
Practice of Pain Management
Vol.7 No.1 20-24,
2016
著者名
成田 年
/
山下 哲
/
芝崎 真裕
/
葛巻 直子
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
Practice of Pain Management
「はじめに」慢性痛患者は,持続的な痛みを訴える一方で,痛みによりうつや不安障害などの精神症状や睡眠障害などを併発するケースが多い1).こうした合併症状は病態を複雑にし,疼痛自体を増悪化させうる.睡眠障害は,慢性痛患者において共通して認められる症状のひとつであり,睡眠の量や質の悪化が,痛みの重症度と密接に関係していることが明らかにされている2).一方,睡眠障害が不安やうつ症状を悪化させ,逆に不安やうつ症状の増悪化によって睡眠障害が誘引されることで,疼痛のさらなる悪化を引き起こすという負の連鎖がある3).慢性痛患者はこのような負のスパイラルにより,QOLが低下していくものと考えられている4-6).こうした現状は,疼痛治療においては,疼痛以外の併発・合併症状の改善も考慮に入れて治療を行っていく必要性を示している.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。