Trend & Topics 中枢性疼痛
パーキンソン病と慢性疼痛
掲載誌
Practice of Pain Management
Vol.5 No.2 14-18,
2014
著者名
西岡 健弥
/
服部 信孝
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
一般内科
/
脳神経外科
/
整形外科
/
リハビリテーション科
/
神経内科
/
麻酔科
/
老年科
/
精神科
媒体
Practice of Pain Management
「はじめに」パーキンソン病(Parkinson's disease; PD)は, 無動, 固縮, 振戦, 動作緩慢を主体とする神経内科領域において代表的な神経変性疾患である. 運動症状が主体ではあるが, 非運動症状(non-motor symptom)と呼ばれる症状が近年注目されている. そのなかには, レム睡眠運動障害, 嗅覚障害, うつ病, restless legs症候群といったものがある. 非運動症状のなかで, PDに慢性疼痛が高頻度に認められることがわかってきており, その頻度は30~50%とされている1). われわれも当院外来に通院している連続80名のPD患者に疼痛のアンケートをとったところ, 約半分の症例に慢性疼痛を認め, 部位としては, 腰, 臀部, 両下肢と, 下半身に集中していることがわかった. 過去の報告からは, 慢性疼痛をともなうPDの傾向として, ジストニアの症状をともなうPDに多く, 年齢が高く, 病期は進行しており, 女性といった要因に慢性疼痛の頻度が高い傾向にある2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。