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座談会(Round Table Discussion)

線維筋痛症に対する心理的アプローチ

橋本亮太水野泰行柴田政彦

Practice of Pain Management Vol.5 No.2, 4-12, 2014

「はじめに」柴田(司会) 線維筋痛症は筋の痛みが主症状で, 他覚的な検査では異常が捉えられないうえに, 不眠, 不安感, 疲労感などの精神症状をともなうことが多い, 治療に反応しにくい病態です. 現在, 本邦での治療は薬物治療が中心だと思いますが, 効果が十分でなく患者さんの満足を得られない場合も多いため, そのほかのアプローチの必要性も感じられます. 効果的な治療を行うためには, 患者さんごとの病態の違いを細かく評価し, 多面的で柔軟な対応が必要となります. さらに, 合併する精神科疾患や内科疾患の鑑別や, 心理社会的要因の関与に対する配慮が求められる場合も少なくないようです. また, 認知行動療法などの心理療法や運動療法によって改善する例もあるといわれています. 一方で, 線維筋痛症の症状は自覚症状が中心で測定や評価が困難であるため, 疾患についての考え方, 治療法なども多岐にわたります.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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