Essay 痛みの記憶
スピリチュアルペイン
掲載誌
Practice of Pain Management
Vol.5 No.1 62,
2014
著者名
小川 節郎
記事体裁
抄録
疾患領域
精神疾患
/
神経疾患
/
骨・関節
診療科目
脳神経外科
/
整形外科
/
リハビリテーション科
/
神経内科
/
麻酔科
/
老年科
/
心療内科
/
精神科
媒体
Practice of Pain Management
痛みの診療を行っていると, いくつかの医療施設をめぐっても痛みが取れずに受診してくる患者さんがいる, 話を聞き, 診察や検査をして, 「なぜ痛むのか」について説明をしてさしあげると, 痛みがほとんどなくなってしまうケースがまれではあるが存在する. 原因がわからない場合でも, 非特異的腰痛のようになぜ原因がわからないかについてお話ししてさしあげる必要がある. 要するに彼女(あるいは彼)は, 痛みが訴えの前面に出ているものの, その根源をなすものは痛みそれ自体よりも心配, 不安, 怒りなどの負の感情・情動なのであろうと推察される. 「気のせいです」と簡単に済まされている場合もあるようだが, そのような患者さんがもつ痛みのひとつがスピリチュアルペインではなかろうかと最近考えている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。