Trend & Topics 筋の痛みを考える
手術と筋肉の変化―腰椎後方手術後の背筋変性とその予防―
掲載誌
Practice of Pain Management
Vol.5 No.1 28-31,
2014
著者名
川口善治
/
下条竜一
記事体裁
抄録
疾患領域
骨・関節
診療科目
整形外科
/
手術・救急
媒体
Practice of Pain Management
「はじめに」 腰椎後方手術後に生じる背筋変性の実態とその臨床的影響を調べること, および背筋変性の予防対策を検討すること, 以上を目的としてわれわれは一連の研究を展開してきた. これらの結果は, 現在, 低侵襲手術の利点を論じる理論的背景の一部になっているように思われる. 本稿では, (1)ラットを用いた背筋圧迫後の筋組織変化の実態に関する基礎実験 (2)ヒトにおける腰椎後方手術後の背筋組織変化 (3)ヒト腰椎後方手術後の体幹筋パフォーマンスの変化と腰痛の実態 (4)背筋変性予防対策に関する基礎実験 これらに分けてわれわれが以前に得た知見を解説し, 今後の展望を述べる. 「ラットを用いた背筋圧迫後の筋組織変化の実態に関する基礎実験1)」 背筋への負荷を定量化すべく, 背筋の側方排除圧をストレインゲージを使って計測した. 平均初期圧約1,200g/cm2の高圧圧迫群と平均初期圧約600g/cm2低圧圧迫群を作成し, 時間を短時間(1時間)と長時間(3時間)とに設定し, コントロールを含む5群に分けた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。