はじめに  慢性疼痛の治療においては,治療者が「科学的,分析的,客観的な態度であろう」とすればするほど泥沼の様相を呈することがある.さらなる検査,さらなる鑑別診断,だんだんと侵襲的になっていく治療.それで治ればよいが,治らなければ「喧嘩別れ」となるか,「見捨てて(見捨てられて?)」患者さんは次の神の手(名医)を探す旅に出ることになる.  こんなケースでは,いったい何が起きているのであろうか?