日本運動器疼痛学会
学会報告 第4回日本運動器疼痛学会「痛みを考える~分子から社会まで~」 痛みと心理―治癒から変化へのパラダイムシフト―
掲載誌
Practice of Pain Management
Vol.3 No.2 66-67,
2012
著者名
水野泰行
/
河野達郎
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Practice of Pain Management
「信頼関係を構築し患者さんの“変化”をサポートする」痛みを主訴として心療内科を受診している患者さんを診ていると, 身体的な痛みを中心に扱うだけでは, 患者さんの治療に対する満足度を高めることは困難だと感じる. 痛みを訴える患者さんの治療では, まず「信頼関係の構築」が不可欠であり, 患者さんが自分自身で治療をしていくのをサポートをする姿勢が大切である. そこで重視してほしいのが, 「変化」という視点である. 医師が患者さんを変えていくのではなく, 患者さん自身が自分で変化する方法を一緒に話し合ったり, サポートしたりするのが治療者の役割ではないかと考えている. 「心因性疼痛」という表現がよく使われるが, これは身体性の痛みと心因性の痛みが異なる痛みとして存在するという前提に立っているように思われる. 実際には「痛み」は身体と心理を両極とするスペクトラム上にあり, どちらも無視することができない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。