Trend & Topics 日本の痛みの今
              
 神経障害性疼痛の疫学と現状
                  掲載誌
                
 
                  Practice of Pain Management
                  Vol.3 No.2 26-31,
                  
                    2012
                  
 
                    著者名
                  
  
                          小川 節郎
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          その他
                        
                    診療科目
                  
  
                          その他
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Practice of Pain Management
                    
 「はじめに」神経障害性疼痛(neuropathic pain; NeP)は, 刺激や炎症による侵害受容性疼痛とは異なり, NSAIDsに治療抵抗性の疼痛として知られている. 国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain; IASP)では, 「体性感覚系に対する損傷や疾患の直接的結果として生じている疼痛」と定義されているが1), その原因となる疾患や病態は多彩で, 疾患ごとの疫学データは存在しても「神経障害性疼痛」としての研究は少ない. また, 本邦においては, 慢性疼痛の疫学調査はいくつか報告されているが, 神経障害性疼痛の疫学についての報告はなかった. 治療においては, 海外では複数の学会より治療ガイドラインが示されていたが2-4), 本邦では, 昨年ようやく日本ペインクリニック学会より発表されたばかりである5). わが国においても神経障害性疼痛の実態を把握し, 治療体系を構築することは急務である. 本稿においては, 神経障害性疼痛の疫学や実態について国内外の報告を紹介する.
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。