日本ペインクリニック学会
学会報告 日本ペインクリニック学会第45回大会
「腰部脊柱管狭窄症の病態と,脊椎外科医が考える治療について」
Practice of Pain Management Vol.2 No.4, 59-67, 2011
本日は神戸大学医学部整形外科講師の西田康太郎先生に「腰部脊柱管狭窄症の病態と,脊椎外科医が考える治療について」をテーマにご講演いただく.西田先生は,1992年に鳥取大学医学部を卒業後,神戸大学医学部整形外科講座に入局.1998年に同大学大学院卒業後に,米国ピッツバーグ大学に留学されたご経歴をもつ.帰国後は神戸労災病院を経て,2010年からは神戸大学医学部整形外科講師を務められている.数々の英語論文を発表されているほか,国際腰痛学会(International Society for the Study of the Lumbar Spine;ISSLS)日本支部奨励賞などを受賞されている新進気鋭の整形外科医である.本日は腰部脊柱管狭窄症の病態や診断,治療戦略,さらに将来展望について貴重なお話をうかがいたい.
【座 長】
獨協医科大学越谷病院麻酔科教授
奥田泰久
腰部脊柱管狭窄症の現状
【演 者】
神戸大学整形外科講師
西田康太郎
近年,腰部脊柱管狭窄症の患者は増加傾向にあり,わが国の40歳以上の腰部脊柱管狭窄症の患者数は240万人と推定されている.年代別では70歳以上が多く,全体の約50%が70歳以上の女性で占められており,脊椎外科,特に腰痛に関連する疾患のなかでは最も多い疾患である.
1954年にVerbiestにより疾患概念が提唱され,1976年にはArnoldiらにより国際分類がまとめられた.腰部脊柱管狭窄症は,下肢または臀部,会陰部の異常感覚を呈する「馬尾型」,下肢や臀部に疼痛を発現する「神経根型」,馬尾型と神経根型が混在する「混合型」の大きく3つに分けることができる.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。