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Trend & Topics 痛みをとらえる

痛みの評価法

―痛みそのものの評価法―

井関雅子

Practice of Pain Management Vol.2 No.1, 18-24, 2011

はじめに
 国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain;IASP)では,「痛みとは,他人と共有できない不快な感覚と情動体験である」,と定義されている.したがって,痛みを治療する際には,われわれが患者のもつ痛みを理解することから始めなければならない.そのためには,痛みに関してお互いに共有できる評価の指標が必要とされる.

はじめに(続き)

痛みを評価する指標には,

 ①言葉や文章による痛みの表現(強さ,パターン,性状)

 ②痛みにより現れる日常生活動作(Activity of Daily Life;ADL)や生活の質(Quality of Life;QOL)の変化

 ③痛みによる心理・精神面への影響

に大別することができる.
 さらに,痛みの強さを評価する方法として,既知の疼痛刺激との対比による他覚的検査も試みられている.エスマルヒ駆血帯とターニケットを使用して虚血による痛みとの対比を行う駆血帯疼痛試験1)や,PAIN VISIONTMによる電気刺激を患者のもつ痛みに置き換えて痛み度を測定する検査2)などが,それに該当する.
 われわれは,患者のもつ痛みの性状を知ることで,侵害受容性疼痛であるか,神経障害性疼痛であるか,その両者の要素をもっているのかを判断することができ,その結果,痛みの治療の方向性を明らかにできる.さらに,痛みの強さ,パターン,生活支障度や心理面への影響をADLやQOLから評価することは,適切な治療法を選択するためにも,治療目標の設定や治療効果の判定にも有用である.
 本稿では,主に言葉や文章による痛みの表現について解説する.

痛みの強さ(図1)

 痛みの強さを数値,語句もしくは表情で表現するものである.

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