頭痛をめぐる諸問題
地域医療における頭痛診療―秋田県横手市に頭痛外来を開設して―
掲載誌
Headache Clinical & Science
Vol.7 No.1 38-44,
2016
記事体裁
施設紹介
/
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
Headache Clinical & Science
「はじめに:秋田県横手市の地域的特色」横手市は秋田県県南部の中心都市であり,毎年2月中旬に行われる小正月行事の「横手のかまくら」,最近ではB-1グランプリで知名度が上がった「横手焼きそば」が全国的に有名である(図1).2005年10月1日,旧横手市,旧平鹿郡に属する町村すべてが合併し,新制横手市として発足した.一時的には県庁所在地である秋田市を除いて県内で唯一の人口10万人を超えるなど県内第2の人口を有する都市となったが,2010年には98,367人,2015年には91,606人と人口減少の傾向にある.
秋田県は全国に先駆けて少子高齢化・人口減少が進んでいる地域であり,厚生労働省人口動態統計(2014)による人口千対の出生率は全国47位,つまり最下位の一方,死亡率は全国1位であり,そのため自然増減率は全国最下位となっている.人口10万対の死亡率は全死因で全国1位であり,悪性新生物は全国1位(なかでも国立がん研究センターがん対策情報センター〔2012〕による胃癌の死亡率は男性で全国1位,女性で全国3位),心疾患は全国5位,脳血管疾患は全国2位,不慮の事故は全国3位,自殺は全国2位と好ましくない数値が並んでいる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。