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頭痛診療Q&A

Q2 片頭痛予防薬の使用順序について教えてください

髙橋牧郎

Headache Clinical & Science Vol.6 No.2, 38-39, 2015

「A」片頭痛予防療法において,どの予防薬をどのような順に用いるのがよいかについてはエビデンスが不足している.一般に予防療法を行う目的は,①片頭痛発作の頻度,重症度と持続時間の軽減,②急性期治療薬の反応性の改善,③生活機能の向上と生活への支障の軽減,にある.各国の片頭痛治療ガイドラインでは,その国で使用可能な片頭痛予防薬の科学的エビデンスと使用経験から専門家のコンセンサスとしての予防治療の勧告を行っている.わが国の「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」1)によれば,片頭痛予防療法を考慮する判断基準として,①片頭痛発作が月に2回以上あるいは6日以上ある患者で,②急性期治療のみでは日常生活に支障がある場合,③薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛,MOH)や副作用などで永続的な神経障害を来すなど急性期治療薬が使用できない場合を挙げている.予防薬は有害事象の少ない薬剤を低用量から開始し,十分な臨床効果が得られるまでゆっくり増量し,一般に8~12週程度観察してから有効性を判断する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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