「子ども時代の環境と座右の銘」
立岡:本日は,筑波学園病院小児科および東京クリニック小児・思春期頭痛外来で実臨床に当たりつつ,日本頭痛学会の内外でアクティブに教育,啓発活動を続けておられる藤田光江先生にお話を伺います.はじめに,先生がご幼少の頃のお話からお聞かせください.
藤田:私は6人兄弟の5番目として生まれて,目立つと上から押さえつけられ,末の妹が皆から可愛がられているのを羨ましく思いながら育ちました.そのような兄弟関係によって,したたかに,しなやかに生きる術が身についたのだと思います.
立岡:兄弟関係は,社会の縮図のようなところがありますね.ご家族以外にも,影響を受けた方はおられますか.
藤田:通っていたミッション系の幼稚園に,フィンランドから来られた20代前半の若い女性宣教師の先生がいらっしゃいました.その教会とのつながりも,精神構造の形成には大きく寄与したと思います.