「summary」カフェイン含有鎮痛薬は,頭痛慢性化の危険性があると議論されてきた.われわれは片頭痛,緊張型頭痛(TTH),両者の併存において,カフェイン・アスピリン合剤(ASA+)がアスピリン(ASA)単剤に比べ,頭痛頻度を増やすかを検討した.ドイツ頭痛コンソーシアムによる集団研究でベースライン(t0),1.87±0.39年後の初回フォローアップ(t1),3.26±0.60年後の第2回フォローアップ(t2)で,頭痛や鎮痛薬などの情報を収集し,t0で頭痛を有する者と,t0とt2でASA単剤,ASA+服用あるいは鎮痛薬服用なしの者で,頭痛頻度が判明している者を解析に組み入れた.線形回帰を用いて,鎮痛薬服用に対応した頭痛頻度の変化(Δt2-t0)と95%信頼区間を見積もった.さらに頭痛サブタイプで層別化するとともに,性別,飲酒,喫煙,BMI,教育などで調整を行った.当研究ではASA+服用は,ASA単剤や鎮痛薬服用なしと比較し,頭痛頻度を増やさなかった.