頭痛診療におけるPitfallと解決策
薬物療法で期待すべき効果が得られない患者に対する次の治療ツール―予防薬,湯液(漢方薬)でも患者の満足度が得られなかったら―
掲載誌
Headache Clinical & Science
Vol.4 No.1 24-25,
2013
著者名
山口智
/
菊池友和
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Headache Clinical & Science
[症例] 32歳女性. 小学生のころより非拍動性の軽度の頭痛があり, 特に月経になると増悪し, その際は市販薬で対応していた. 就職後より種々のストレスにより, 拍動性・片側性で日常生活に支障のある前兆のない片頭痛が出現し, 予防薬として筋弛緩薬やCa拮抗薬・抗てんかん薬, 発作頓挫薬として非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)やトリプタンが処方され, 中等度以上の頭痛は月数回の頻度で良好にコントロールされていた. X年4月ごろより仕事のストレスなどにより肩こりが強くなった(Pitfall(1)). 症状が悪化し月経時には職場を休む程の頭痛が出現したため, ピルを服用開始し, その後呉茱萸湯が処方され, 発作頻度はやや軽減するも日常生活への支障が強かった. 頭部MRIにて明らかな頭痛の原因となる所見はなく, ひどい頭痛の前に頸が締め付けられる感覚も出現し, 発作時にはいつもと違う強い肩こりを訴え, 頓挫薬を服用し頭痛が消失するとともに肩こりも改善するとのことであった(Pitfall(2)).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。