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誌上ディベート
片頭痛は脳卒中のリスクか?
平田幸一
/ 永田栄一郎
/ 根来清
Headache Clinical & Science Vol.1 No.1, 17-26, 2010
片頭痛患者さんが医療機関を訪れる理由としては, 当然のことながら, 自分の頭痛を正確に診断してもらいたい, 治してもらいたいというのがほとんどであると思われる. しかし最近は, 自分の片頭痛が将来, 脳梗塞に進展していくのではないかという恐れのために受診する方も増えてきている. 近年, 片頭痛は脳梗塞のリスク因子となるのかという議論が, 専門医のあいだだけの問題にとどまらず, 患者さん自身にも拡がっている状況にあるといってよい. 片頭痛が脳梗塞発症のリスク因子となるかについては, 症例対照試験, 前向きコホート研究, および断面調査によるコホート研究が行われている. これらの研究結果の多くは, とくに若年女性の前兆のある片頭痛では2.5倍以上, 前兆のない片頭痛でも1.5倍以上, 片頭痛全体としても約2倍の危険率になるとしている. さらに, これに喫煙などの別のリスク因子が重畳すると, その危険率は倍加していくことが指摘されている.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。