<< 一覧に戻る

注目のTopics

小児心臓移植

新生児・乳児の心臓移植

市田蕗子

Fetal & Neonatal Medicine Vol.10 No.1, 22-25, 2018

小児の心臓移植は,世界的規模では増加傾向にあり,国際心肺移植学会(International Society for Heart and Lung Transplantation;ISHLT)のRegistry 2017では年間600例を超え,すでに14,000例ほどが報告されている。Registryの詳細な分析は,Web上で公開されている1)。なかでも,1歳未満の心臓移植が最も多く,2004~2016年までに,1,600例を超えている1)。一方,ドナーに関しても,1歳未満が最も多く,1,200例に達している1)。年長児では,小児のみならず成人のドナーからも移植されているが,1歳未満の乳児では,ほとんどが乳児のドナーから移植されている。地域的には,1歳未満の心臓移植は主に北米で施行されており,北米や欧州以外の地域ではごく少数である1)。また,1歳未満の心臓移植は先天性心疾患によるものが過半数を占めているのに対し,それ以降では拡張型心筋症の占める割合が同数となる。特に,11歳以降では拡張型心筋症が過半数を占めている2)。年代別にみると,1歳未満の心臓移植の場合,先天性心疾患の占める割合は減少傾向にあるが,逆に拡張型心筋症の占める割合が増加している1)
「KEY WORDS」新生児,乳児,心臓移植,拡張型心筋症,左心低形成症候群

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る