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Special Articles

肝細胞癌のゲノム医療を目指して

①liquid biopsy

山内理海大野敦司相方浩茶山一彰

The Liver Cancer Journal Vol.11 No.1, 20-24, 2019

次世代シークエンサーを代表とする技術革新により,固形癌のゲノム情報を血液から知ることが可能となった。このリキッドバイオプシーと呼ばれる手法は,早期診断の手がかりとして,あるいは進行症例の治療バイオマーカーとして,さまざまな癌で研究が進んでおり,一部は臨床現場に登場しはじめた。
肝癌の診断は,従来のハイリスク群(活動性のB型,C型肝炎ウイルス感染)とは異なる集団からの発癌が問題となっており,早期スクリーニング法の開発が重要である。治療は,効果の高い分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬などの登場により,大きな変革期を迎えているが,治療法の個別化・最適化に関する課題は多い。リキッドバイオプシーによる,低侵襲かつ反復可能な肝癌ゲノム解析は,これらの問題点の解決の一助となることが期待される。
「KEY WORDS」ctDNA,バイオマーカー,デジタルPCR,次世代シークエンサー,遺伝子パネル,遺伝子プロファイリング,癌スクリーニング

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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