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Special Articles

肝癌診療ガイドライン2017改訂のポイント

②外科側からの改訂のポイント

竹村信行國土典宏長谷川潔

The Liver Cancer Journal Vol.10 No.2, 33-37, 2018

肝癌診療ガイドライン2017年版の改訂における最も大きなポイントは,肝癌治療アルゴリズムが「肝癌診療マニュアル」の「コンセンサスに基づく治療アルゴリズム」と統合され,治療法の選択に肝外転移と脈管侵襲の2要素が追加されたことである。外科的治療が第一選択とされるのは引き続き単発の肝細胞癌,3個以内の肝細胞癌に対しての肝切除(3cm以内は肝切除または焼灼療法),Child-Pugh分類Cでミラノ基準内の肝細胞癌に対しての肝移植治療である。また,肝外病変を伴う肝細胞癌に対しても,標準治療は分子標的治療薬であると推奨されつつも,肝内病変がない,もしくは良好にコントロールされている場合には,肺転移,副腎転移,リンパ節転移,播種病変に対して局所療法が選択されることがあると,弱い推奨ではあるが分子標的薬以外の治療選択の可能性が提示された。脈管侵襲陽性肝細胞癌に対する推奨治療においては意見が分かれたため,塞栓療法,肝切除,肝動注,分子標的薬の4つの治療が併記されることになった。
「KEY WORDS」肝細胞癌,ガイドライン,治療アルゴリズム,肝切除,肝移植

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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