日本肝臓学会の肝癌診療ガイドラインが改訂された。改訂の内科側からのポイントを概説した。サーベイランスでは,オプション検査の中にGd-EOB-DTPA造影MRIが明記された。治療アルゴリズムでは,肝外転移と脈管浸潤が項目立てされた。これは主として治療薬が進歩しているため,治療法を選択する際に重要になるため分けられた。また,これまで薬物療法と統括されていたものを,分子標的治療薬が明記された。Clinical Question(CQ)の中に分子標的治療薬が推奨され,一次治療と二次治療が記載された。外科側の改訂点と合わせて,今後の肝癌診療の進歩に合わせた治療を行っていく必要がある。
「KEY WORDS」肝外転移,脈管浸潤,分子標的治療薬,Gd-EOB-DTPA造影MRI,BCLAステージ,Up-to-7基準,Child-Pugh,肝予備能,分子標的治療薬,ソラフェニブ,レゴラフェニブ,レンバチニブ