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肝癌外科術後再発進行症例に対するソラフェニブ投与奏効例のバイオマーカーFGF19検討

The Liver Cancer Journal Vol.9 No.2, 94-97, 2017

ソラフェニブは進行した肝細胞癌(HCC)の標準療法であるマルチキナーゼ阻害剤であるが,完全奏効(CR)は非常にまれであり,奏効率は低い(0.7%~3.3%)1)-3)。それにも関わらず,短期間のソラフェニブ投与後にCRが観察された報告もある4)-6)。われわれはこれまで,ソラフェニブが奏効した凍結HCCサンプルを用いた比較ゲノムハイブリダイゼーションにより,線維芽細胞増殖因子(FGF)3およびFGF4の遺伝子が増幅されたことを報告した7)。しかしながら,残りのFGF3/FGF4の遺伝子増幅を示さないソラフェニブ著効例の有効性予測マーカーは明らかになっていない。
本研究では,別コホートのソラフェニブ奏効例と不応例を対象として,FGF-線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)シグナル経路に関わる分子の遺伝子を解析する。最近では,FGF/FGFRシグナル経路における遺伝子変異または増幅が,FGFR阻害剤の感受性を予測することを報告している。FGFR1,FGFR2またはFGF19の遺伝子増幅は,選択的FGFR阻害剤の潜在的なバイオマーカーとして報告されている8)9)。したがって,FGF/FGFRシグナル経路の遺伝子変異は,FGFR阻害のための効果的なバイオマーカーであると考えられる。ここでは,FGFRを標的分子に含むキナーゼ阻害剤であるソラフェニブの有効性に関連する他のメカニズムを解明するために,FGF/FGFRシグナル経路の遺伝子変異に焦点を当てた1)10)。本研究では,肝癌術後の再発肝癌に対するソラフェニブの奏効症例(CRおよびPR)を収集し,FGF-FGFRシグナル経路におけるソラフェニブの有効性とコピー数の変化および変異との関連性を検討した。

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抄録