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目で見る肝癌

肝細胞癌の肺転移に対して放射線治療が有用であった1例

稲垣悠二上野秀樹伊藤芳紀奥坂拓志

The Liver Cancer Journal Vol.9 No.1, 9-13, 2017

ソラフェニブは肝細胞癌に対して保険適応を有する唯一の分子標的薬である(2017年2月現在)。進行肝細胞癌に対するソラフェニブの有用性については,欧米人を対象としたSHARP試験1)と,アジア人を対象にして行われたAsia-Pacific試験2)の2つのプラセボ対照第Ⅲ相臨床試験により,無増悪期間および全生存期間延長効果が示されている。両試験とも肝機能良好(Child-Pugh A)な患者が対象とされており,日常臨床において肝機能良好な遠隔転移を有する肝細胞癌に対する標準治療はソラフェニブであると考えられている。最近,ソラフェニブ抵抗性の肝細胞癌患者に対するレゴラフェニブの有用性が報告されたが4),現時点では承認されていないため,ソラフェニブ治療中に癌の進行を認めた場合は緩和ケアが通常行われている。
今回,標準治療終了後に肺転移病巣が増大したため放射線治療を選択し,症状のコントロールや予後の改善に寄与したと考えられる症例を経験したので報告する。
「KEY WORDS」ソラフェニブ,3次元原体照射法(3D-CRT)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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