「背景」エピルビシン含浸drug-eluting bead(DEB)を用いたDEB-TACEが本邦でも施行可能となった。DEB-TACEはconventional TACE(c-TACE)に比して,肝機能への影響が少ないと言われる1)。今回,当院におけるDEB-TACEの初期使用経験をもとに,DEB-TACEの安全性,治療効果判定につき検討した。
「対象と方法」「1.検討①」2014年に当院でDEB-TACEを施行した69例のうち,1ヵ月以内に追加治療をした症例,分割TACEとなった巨大腫瘍症例,3ヵ月間の経過観察ができなかった症例を除く44例を対象とし,有害事象,治療効果について後ろ向きに検討した。なお,TACEは,superselective TACEのほか,ばらまき型TACEもすべて含み,当院放射線科で施行された。