「背景」肝細胞癌治療に分子標的薬が加わり5年以上が経過し,長期生存症例も散見する。本剤は多彩な有害事象を呈するため,年齢や体重を考慮した減量投与の報告も多い。しかし,長期生存例のなかには薬剤の有効性が不明瞭な症例も認める。今回,破裂肝細胞癌術後,腹膜播種を来し分子標的薬の内服により副作用なく長期生存を得,かつ内服コンプライアンスによって腫瘍マーカーの変動を認めた高齢症例を経験したので報告する。
「症例」87歳,女性,体重35kg。2010年6月(83歳時)肝細胞癌破裂の診断に他院救命科にて肝外側区部分切除術施行(M/D, HCC4cm大, fc+, fc-inf+, sf+, s3, vp0, vv0, va0, b0, IM0, SM-, F1/A1, ch)。その後近医にて経過観察されていた。2011年2月腫瘍マーカーの上昇(AFP-L3 11.5%)を認め,CT精査にて腹膜播種,腹壁再発を認め当院紹介となった。
「症例」87歳,女性,体重35kg。2010年6月(83歳時)肝細胞癌破裂の診断に他院救命科にて肝外側区部分切除術施行(M/D, HCC4cm大, fc+, fc-inf+, sf+, s3, vp0, vv0, va0, b0, IM0, SM-, F1/A1, ch)。その後近医にて経過観察されていた。2011年2月腫瘍マーカーの上昇(AFP-L3 11.5%)を認め,CT精査にて腹膜播種,腹壁再発を認め当院紹介となった。