「背景」ソラフェニブは進行肝細胞癌に対して,有意に生存期間の延長を示した唯一の治療であり1),海外第Ⅲ相試験では,忍容性も高いと報告されている。一方で,国内外の実臨床では,推奨量(800mg/日)で開始した場合,有害事象による治療中止が22-40%と多く報告されている2)3)。ソラフェニブ減量開始の有用性についても報告がなされているが4)5),推奨量との比較検討はなされておらず,その有効性・安全性については検討が必要である。
「目的」ソラフェニブ800mg/日で開始した症例と,400mg/日で開始した症例の有効性・安全性を,多施設共同コホート試験により比較・検討する。
「対象・方法」神奈川県下4施設で進行肝細胞癌と診断され,ソラフェニブ投与された連続した218例について,後ろ向きにデータ収集した。ソラフェニブの適応は,Child-Pugh分類Aであることなど,適正使用に準じた。