Topics of HCC
Intermediate-stage HCCの亜分類と予後―肝動脈塞栓療法研究会からの亜分類の提唱―
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.7 No.1 38-42,
2015
著者名
山門亨一郎
/
廣田省三
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
放射線科
媒体
The Liver Cancer Journal
「はじめに」原発性肝癌(以下,肝癌)は全世界では5番目に多い癌で,依然増加傾向である1)。肝切除や肝移植,さらにはラジオ波焼灼術(radiofrequency ablation:RFA)などの根治的治療は30-60%の症例にのみ適用されるにすぎない1)。残りの症例の多くは肝動脈化学塞栓療法(transarterial chemoembolization:TACE)の温気を受ける。Barcelona Clinic Liver Cancer(BCLC)病期分類は欧米で広く用いられている病期分類で,肝癌の病期を腫瘍因子と患者因子で分類し,病期に応じた治療を推奨している2)。腫瘍の個数と大きさ,さらに脈管浸潤と肝外転移の有無が腫瘍因子で,performance status(PS)とChild-Pugh分類,さらには門脈圧亢進症の有無が患者因子として用いられる2)。TACEのよい適応はIntermediate-stageに相当するBCLC病期Bとされている。PSが0,Child-Pugh分類がAまたはBで,腫瘍個数が4個以上か,少なくとも1個は3cmを超えて複数個腫瘍が存在すれば,BCLC病期Bとなる(表1)2)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。