座談会(Round Table Discussion)
肝炎ウイルスの制御可能な時代を迎えて,肝癌診療はどう変わるのか?
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.7 No.1 17-24,
2015
著者名
西口修平
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久保正二
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鈴木文孝
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吉治 仁志
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
感染症
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
媒体
The Liver Cancer Journal
肝癌の原因の約9割を占めるウイルス性肝炎に対し,昨今の精力的な薬剤開発により,肝炎ウイルスの制圧が可能になってきた。B型肝炎においては非代償期肝硬変に至るまで,核酸アナログ製剤によりウイルス制御が可能となり,インターフェロン(IFN)治療例ではHBs抗原の消失例も認められる。C型肝炎においても代償期肝硬変において,IFN-freeのDAAs(直接作用型抗ウイルス薬)治療によってウイルスの完全消滅が期待できる。肝癌患者の長期生存には根治的治療が重要であるが,根治的治療が行われても,異所性再発を完全に制御できない場合や,背景肝病変が肝硬変であるために肝予備能が徐々に低下して,再発時には根治的治療が選択できない場合もある。そこで本座談会では,肝炎ウイルスを制御することが,その後の肝癌の予後や背景肝病変の病態にどのような影響を与えるか,さらに肝癌診療のアルゴリズムの見直しが必要かどうかについて議論していただいた。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。