「はじめに」ソラフェニブは切除不能な進行肝細胞癌の病勢を制御し,生存期間を延長させる分子標的薬であるが1)2),服薬開始早期から多種多様の有害事象により服薬を継続できない症例も経験される。一方,手足皮膚反応などの重症化を予防,または早期に対処することで有害事象による中断率を低下させ,アドヒアランス向上が期待できる。そこで外来治療中に電話による問診で状態を確認するサポートプログラム「ネクサリンク」の導入が服薬期間の延長に寄与するかを検討した。
「対象と方法」「ネクサリンク」は書面同意を得た患者に対し事前に起こりうる有害事象と日常生活の注意点,外用薬の使用についてなど自己管理可能なケアについて指導し,服薬開始後の外来受診日以外の決められた日時に看護師が電話による問診を行い,必要に応じて早期の受診を促すプログラムとした(図1)。外来受診時にも再度有害事象の程度や服薬状況の確認を行った。2012年10月より導入し,2013年3月までに当科で進行肝細胞癌に対し同剤を投与した36症例を対象とし,ネクサリンク導入症例(N群)と非導入症例(C群)の有害事象や服薬期間について比較した。