日本肝がん分子標的治療研究会
第9回優秀演題論文集 Session9 混合型肝癌に対するソラフェニブの補助療法を行った1例
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.6 No.2 68-69,
2014
著者名
宮田陽一
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長谷川 潔
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山本訓史
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阪本良弘
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山下俊
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金子順一
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青木琢
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菅原寧彦
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國土 典宏
記事体裁
症例
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抄録
疾患領域
呼吸器
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消化器
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癌
診療科目
一般外科
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呼吸器内科
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消化器内科
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腫瘍内科
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放射線科
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消化器外科
媒体
The Liver Cancer Journal
「緒言」切除不能の肝細胞癌 (HCC) の分子標的薬治療としてソラフェニブの有効性が報告されているが1)2), 混合型肝癌に対するソラフェニブの投与の報告はない. 今回, はからずも混合型肝癌に対して術後補助療法としてソラフェニブを投与し, 再発病変の病理組織学的所見が大きく変化した興味深い症例を経験したので報告する. 「症例」「1. 現病歴」67歳, 男性. 胆嚢結石発作の精査のために施行した腹部造影CTで, 肝S6とS8の2ヵ所に造影早期相で濃染され, 後期相でwash outされる腫瘤を認めた(図1A,B矢印). B型肝炎ウイルス, C型肝炎ウイルスはともに陰性であった. 腫瘍マーカーは, αフェトプロテインが601ng/mL, L3分画が93.4%と高値であった. CEAは4.8ng/mLと正常範囲内であったが, CA19-9は60U/mLと軽度高値であった. 当初は, 通常の原発性HCCと診断された. 画像上は, S8腫瘍から右肝管に至る胆管腫瘍栓と門脈腫瘍栓を認めた(図1C矢頭).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。