Topics of HCC
次世代シークエンサーによるゲノム配列および発現解析によるHCC統合解析
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.6 No.2 38-42,
2014
著者名
緑川泰
/
山本尚吾
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高山忠利
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油谷浩幸
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
The Liver Cancer Journal
「はじめに」癌は複数の遺伝子異常の蓄積により発生し, 発現アレイをはじめとする包括的遺伝子解析により発癌や癌進展に関与する責任遺伝子が同定され報告されてきた. 近年では次世代シークエンサーの普及により, 参照配列との比較による各癌種に特異的な体細胞突然変異や挿入・欠失, 染色体再配列などの網羅的な同定が可能になっている. 肝細胞癌 (hepatocellular carcinoma ; HCC) の次世代シークエンスによる解析は, 2011年にTotokiらの全ゲノムシークエンスによるC型HCCのゲノム配列の決定が最初の報告例であり1), その後多数のHCC症例についての報告がなされた2)3). しかし, 多数の検体を用いた全ゲノムシークエンスによる30億塩基対についての情報量は膨大であり, 横断的な解析作業は研究者にとって過度の負担となっている. その一方で, 蛋白質をコードするエクソン領域は全ゲノムの約1%, 3,000万塩基に相当し, より高い効率で細胞や生体機能に影響する変異を検索できるため, このような情報解析の負荷を軽減し, より多くのサンプルの解析が可能である全エクソンシークエンスによる変異解析が行われている4)5).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。