国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科における肝細胞癌治療の取り組みについて, 同科科長の奥坂拓志先生にお話を伺った. 昨今, 肝細胞癌は早期に発見されるようになり, 肝切除術や局所壊死療法(ラジオ波焼灼療法(RFA), エタノール注入療法(PEIT)), 肝動脈化学塞栓療法(TACE)などにより良好な治療成績が得られるようになっている. しかし, すでに診断時に, あるいは再発のためにそれらの治療効果が期待できない例も少なからず存在する. こうした症例に対して肝動注化学療法(TAI)あるいは全身化学療法が試みられる. 同科では1980年代初頭より, 肝細胞癌に対する全身化学療法の成績向上に努め, さらなる開発も進めている. そうした現状を奥坂先生にご紹介いただいた.
「国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科の変遷」1962年に開設され, 2012年に50周年を迎えた国立がん研究センター中央病院.