「Summary」進行肝細胞癌に対してソラフェニブが肝機能良好かつ肝外転移, 血管浸潤および血管塞栓術不応例に対する標準治療薬となっている. その後, 適応拡大や新たな薬剤の開発に向けた取り組みが数多く行われてきた. ソラフェニブの適応拡大として, 肝動脈化学塞栓療法(TACE)の補助療法あるいは併用療法の臨床試験が行われているが, その有用性は証明されていない. 新規薬剤の開発として, ソラフェニブと類似のマルチキナーゼ阻害薬スニチニブ, brivanib, orantinib(TSU-68)が挙げられる. スニチニブは1次治療としてソラフェニブとの比較試験が行われ, brivanibはソラフェニブ耐性肝細胞癌を対象とした臨床試験が実施されたが, いずれも有用性は証明できなかった. TACEとの併用療法としてorantinib(TSU-68)のランダム化第II相試験が行われ, 有効性が示唆されたことから, 現在, 第III相試験が日本を含めたアジアで行われている.
「Key words」肝細胞癌,薬物療法,ソラフェニブ,スニチニブ,brivanib,orantinib(TSU-68),肝動脈化学塞栓療法(TACE)
「Key words」肝細胞癌,薬物療法,ソラフェニブ,スニチニブ,brivanib,orantinib(TSU-68),肝動脈化学塞栓療法(TACE)