日本肝がん分子標的治療研究会
第5回優秀演題論文集 Session12 ポリコーム群遺伝子産物EZH2の肝癌治療標的分子としての有用性の検証
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.4 No.2 84-85,
2012
著者名
鈴木英一郎
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千葉哲博
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米満裕
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元山天佑
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小笠原定久
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大岡美彦
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太和田暁之
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金井文彦
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岩間厚志
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横須賀 收
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
The Liver Cancer Journal
「背景と目的」幹細胞における分化制御ではヒストン修飾を介した転写制御が行われており, これらはエピジェネティックと呼ばれる, 塩基配列の変更なしに遺伝子発現の制御を伴う現象の一部にあたる. PRC1とPRC2からなるポリコーム群遺伝子(PcG)は分化関連遺伝子の転写の抑制を行っており, その中心を担うのがEZH2である1). EZH2は転写抑制性ヒストン修飾であるH3K27のトリメチル化やH2AK119のモノユビキチン化をするとともに転写活性化のヒストン修飾であるトリメチル化H3K4の脱メチル化を行っている. EZH2は, 主にエピジェネティックな遺伝子発現制御を通して幹細胞システムにおける共通な自己複製制御分子として機能していることが明らかになっている. また, 複数の癌腫においてEZH2の異常な発現亢進が認められ, 腫瘍の悪性度と相関することが報告されているが, 肝癌におけるEZH2の機能については十分に解明されていない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。