座談会(Round Table Discussion)
肝癌薬物治療のこれから―分子標的治療と経動脈治療―
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.4 No.2 17-25,
2012
著者名
奥坂拓志
/
加藤弥菜
/
荒井 保明
/
上嶋一臣
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
The Liver Cancer Journal
近年, 肝細胞癌(以下, 肝癌)に対する内科的治療は各種進歩を遂げており, 切除不能例に対する治療選択肢が広がっている. なかでも腫瘍の栄養血管を同定して経動脈的塞栓術を施す「肝動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization;TAE)」は, わが国で開発された治療法であり, 最近では治療効果の向上を目的に抗癌剤の注入を併用する「肝動脈化学塞栓療法(transcatheter arterial chemoembolization;TACE)」が中等度進行肝癌の初回治療として広く行われている. また, 主に脈管浸潤を伴う進行肝癌に対する初回治療としては, 「肝動注化学療法(hepatic arterial infuslon chemotherapy;HAIC)」が適用されている. さらに, 従来, 肝癌に対する全身化学療法の有効性は低いとされていたが, 進行肝癌患者において分子標的薬ソラフェニブの延命効果が初めて証明され, 肝癌治療は新しい時代を迎えている. そこで本座談会では, 肝癌の薬物治療に注目し, 分子標的治療および経動脈治療のエビデンスの現状ならびに適応基準について, 今後の展望を含めてお話を伺った.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。