「はじめに」第61回米国肝臓学会(AASLD2011)が11月4~8日, 米国サンフランシスコで開催された. 今回の話題の中心はC型慢性肝炎であり, AASLD2011全演題の24%にあたる541題がC型慢性肝炎に関するもので, そのうちの309題が治療に関するものであった. 本誌「Liver Cancer Journal」は肝癌主体の内容で構成されているが, わが国の肝癌の発生母地としてC型慢性肝炎・肝硬変が約75%を占めており, また肝癌症例の長期生存に背景肝疾患治療は必要不可欠であることから, 話題として取り上げることとした. 本稿では, (1)C型慢性肝炎の新規治療についての発表, (2)肝癌関連の発表についてレポートする.
「C型慢性肝炎の新規治療について」わが国でもdirect acting antiviral(DAA)を含む3剤治療が保険適応となったが, 米国ではすでに2011年5月にテラプレビルとboceprevirが承認となっている.