はじめに
肝細胞癌(HCC)症例は,健常者または肝硬変(LC)症例に比しmRNAの接合(Fas transmembrane domainをもつexon6の特殊な接合)によって生成される血清可溶型Fas(sFas)が高値を示すことがすでに報告されている1)。そして,HCCのFas作動アポトーシスからの回避は,①細胞表面Fasの欠損,②sFasによるFas-ligand(Fas-L)の中和,③Fasのシグナルの欠損または抑制の3つの機序が想定されている。しかしながら,進行肝細胞癌(aHCC)合併LC症例において,癌細胞の増殖に関与するRafと癌周囲の血管新生に関与するVEGFRなどに対するmultikinase阻害剤であるソラフェニブ(SF) 2)の,Fasを含めた血清サイトカインの変動については検討の余地が残されている。
全文記事
日本肝がん分子標的治療研究会
第4回優秀演題論文集 Session7 進行肝細胞癌合併肝硬変症に対するソラフェニブ投与における血清サイトカインの変動
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.3 No.4 78-79,
2012
著者名
永井英成
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向津隆規
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金山政洋
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塩澤一恵
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和久井紀貴
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籾山浩一
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渡邉学
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飯田和成
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石井耕司
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住野泰清
記事体裁
学会レポート
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
媒体
The Liver Cancer Journal
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。