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日本肝がん分子標的治療研究会

第4回優秀演題論文集 Session7 進行肝細胞癌合併肝硬変症に対するソラフェニブ投与における血清サイトカインの変動

永井英成向津隆規金山政洋塩澤一恵和久井紀貴籾山浩一渡邉学飯田和成石井耕司住野泰清

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.4, 78-79, 2011

はじめに
 肝細胞癌(HCC)症例は,健常者または肝硬変(LC)症例に比しmRNAの接合(Fas transmembrane domainをもつexon6の特殊な接合)によって生成される血清可溶型Fas(sFas)が高値を示すことがすでに報告されている1)。そして,HCCのFas作動アポトーシスからの回避は,①細胞表面Fasの欠損,②sFasによるFas-ligand(Fas-L)の中和,③Fasのシグナルの欠損または抑制の3つの機序が想定されている。しかしながら,進行肝細胞癌(aHCC)合併LC症例において,癌細胞の増殖に関与するRafと癌周囲の血管新生に関与するVEGFRなどに対するmultikinase阻害剤であるソラフェニブ(SF) 2)の,Fasを含めた血清サイトカインの変動については検討の余地が残されている。

目 的

 aHCC合併LC症例に対するSF投与における末梢血中サイトカインの変動を明らかにする。

対象および方法

 対象症例はaHCC合併LC患者で,2009年6月~2011年3月までにSFを単独投与した32症例を対象とし,SF 200~800mg/body/日を4週間服用した。採血は早朝空腹時に投与前と4週間後に行い,末梢血中のTNF-alphaはEIA法を用いて測定し,可溶型Fas-L(sFas-L),可溶型TNF-receptor(sTNF-R),sFasはELISA法を用いて測定した。

結 果

 対象とした32症例の内訳は,200mg内服群8例,400mg内服群18例,800mg内服群6例であり,それぞれ性別(M/F)は6/2,17/1,6/0,背景肝(HBV/HCV/Alcohol)は1/5/2,2/13/3,2/1/3,Child-Pugh分類(A/B)は7/1,17/1,5/1,Stage(Ⅲ/ⅣA/ⅣB)は0/6/2,1/17/0,0/6/0,門脈浸潤(Vp3/Vp4)は0/0,2/3,1/1であった。
 ソラフェニブ4週間内服前後のTNF-alphaでは,200mg内服群は有意な変動を認めなかったが,400mgおよび800mg内服群は内服前後で有意な上昇を認め,sTNF-Rでは400mg内服群でのみ内服前後で有意な上昇を認めた。また,ソラフェニブ4週間内服前後のsFas-Lではすべての群で感度以下であったが,sFasでは400mgおよび800mg内服群は内服前後で有意な低下を認めた。

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