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Topics of HCC

肝細胞癌の反復再発と治療介入の実態

池田健次

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.4, 37-40, 2011

要 約
 肝切除やラジオ波凝固療法(RFA)による「根治」が可能な3cm以下かつ3個以内で発見された肝細胞癌(HCC)155例が,治療経過中に何回再発し追加治療して治療が反復されるかをretrospectiveに検討した。症例は2004年までの4年間に初回治療として肝切除を行った53例とRFAを行った102例で,若年で良好な肝機能を有する症例ほど肝切除術を受ける頻度が高かった。
 初回肝切除・RFAを施行した症例の初回再発率は,5年でそれぞれ60%・78%で,RFA群で有意に高かった。ICG15分値30%未満の肝機能良好例に限ってみると,肝切除64%,RFA 74%とその差は縮まった。初回再発に寄与する独立要因をみると,HBs抗原陰性例で初回再発のハザード比は1.92,RFA治療が1.76で有意であった。平均観察期間5.4年間の再発治療の延べ回数は,肝切除群3.43回,RFAで4.27回であった。繰り返し再発に寄与する要因をPrentice-Williams-Petersonモデルで検討すると,初回治療RFA(ハザード比1.40),HBs抗原陰性(ハザード比1.37),65歳未満(ハザード比1.23)が有意な要因であった。RFA群では初回再発率が高い影響が強く,反復再発もやや多い結果となった。

はじめに

 ウイルス性肝炎を基盤として発生することの多いわが国の肝細胞癌は,肝切除のような「根治的」治療を行ったあとに再発するのが一般的で,反復治療を繰り返して長期生存を目指しているのが現状である。背景肝疾患を有した状態で診療される肝細胞癌がどのようにして繰り返し治療されているかについて,初回治療法別に集計・検討した。

対象・方法

 対象は2000~2004年までの4年間に,初回治療として肝切除・RFAによる根治的治療を行った155例で,全例初発肝癌で3cm以下かつ3個以内の症例である。症例の年齢は38~87歳(中央値65歳),男性87例・女性58例であった。HBs抗原陽性29例,HCV抗体陽性117例,その他12例であった。
 肝細胞癌の直径の中央値は18mm(最小6mm~最大30mm)で,単発134例・多発21例であった。肝機能検査では,血小板数3.8~25.6万/mm3(中央値9.9万/mm3),ICG15分値3~78%(中央値26%)であった。

初回治療法選択のバイアス

 観察期間5年以上を確保したこのretrospectiveな検討では,肝切除群が約3分の1を占めているが,RFA群との間で無作為に治療法を割り付けてはいない。当院でも肝切除とRFAを施行した患者背景を比較すると(表1),男女比はほぼ同様であったが,年齢中央値は肝切除例64歳,RFA例66歳と肝切除群でやや若年であった。

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