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日本肝がん分子標的治療研究会

第3回優秀演題論文集 Session7-A 生存分析からみた進行肝細胞癌に対するソラフェニブ投与例の検討

多田俊史熊田卓桐山勢生谷川誠豊田秀徳久永康宏金森明藤森将志新家卓郎安東直人坂井圭介安田諭木村純

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.2, 72-73, 2011

はじめに
 ソラフェニブはSHARP試験1)やAsia-Pacific試験2)で延命効果が報告され,進行肝細胞癌に対する治療として重要な役割を担っている。当院では2009年6月より進行肝細胞癌に対してソラフェニブ投与を開始し,約1年半が経過した現在,有害事象や予後に関してもさまざまなことが判明してきた。
 今回,ソラフェニブ投与例の生存分析を行い,投与開始時のどのような因子がソラフェニブ内服症例の予後に関係したかを検討した。

対象と方法

 対象は2009年6月から2010年12月の間に当院でソラフェニブを開始した37例である。患者背景は性別(男性/女性)が30例/7例,平均年齢は70.8±9.4歳,背景肝はHBV/HCV/非B非Cが8例/22例/7例,Child-Pugh分類はA/Bが30例/7例,門脈侵襲はVp 0/1/2/3/4が22例/0例/5例/5例/5例,肝外転移は肺/リンパ節/骨/副腎/脾/筋が10例/7例/5例/1例/1例/1例(重複あり)であった。初回治療は肝切除/TACE/TACE+RFAもしくはPEIT/RFA/PEIT/肝動注化学療法が15例/10例/3例/2例/1例/1例で,初回治療なしが5例であった。ソラフェニブ投与前の治療はTACE/肝動注化学療法/肝切除/TACE+RFA/PEITが23例/3例/3例/2例/1例であった。なお前治療がTACE(+RFA)25例のうちVp 2以下/Vp 3以上が21例/4例で,Vp 2以下21例のうち肝外転移なし/ありが9例/12例であった。Vp 2以下かつ肝外転移なしの症例でTACEが不可能と判断された理由は,乏血性でTACEの効果が低いと考えられた/APシャントや肝外からの側副血行路の発達/主治医の判断(TACEを繰り返しているなど)によるもの,がそれぞれ3例/3例/3例であった(図1)。

観察期間中央値は6ヵ月(0.5~19ヵ月)であった。ソラフェニブの初期投与量は400mg/800mgが10例/27例で,さらに400mg開始例で7例が増量,800mg開始例で7例が減量をされており,内服期間中央値は3ヵ月(0.25~15ヵ月)であった(表1)。

 これらの患者のソラフェニブ投与開始時における性別,年齢,HBV,HCV,Child-Pugh分類,初回治療,stage,肝外転移,門脈侵襲,AFP,AFP-L3分画,PIVKA-Ⅱに関する生存分析を行った。
 統計解析はSPSS(Ver.18)を用い,生存率の算定はKaplan-Meier法,差の検定はCox比例ハザードモデルによる単および多変量解析(変数増加法)を行い,p<0.05を有意差ありとした。

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