はじめに
現在,さまざまな血管新生阻害薬の臨床開発が進行中であるが,肝細胞癌に対してソラフェニブはその臨床的有効性が証明され1)2)日本においても標準的治療薬の一つとして使用されている。一方,血管新生阻害薬の薬力学的効果を評価するバイオマーカーとしてsVEGFR1,2が知られているが,直接的な薬理作用を反映しておらず,有用なバイオマーカーの開発が望まれている。新規血管新生阻害薬であるBIBF1120はVEGFR・FGFR・PDGFRのtriple angiokinase inhibitorで主にVEGFR2阻害による,血管新生阻害薬と位置づけられている。今回われわれは,BIBF1120の肝細胞癌への有用性を検討するためにin vitroとin vivoにおいて抗腫瘍効果を検討し,同時に新しいバイオマーカーの開発としてマウスの血液サンプルを代替組織としたフローサイトメトリーによる検討を行った。
全文記事
日本肝がん分子標的治療研究会
第3回優秀演題論文集 Session6 新規血管新生阻害薬BIBF1120の肝細胞癌に対する有用性評価と薬力学的バイオマーカーの開発
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.3 No.2 70-71,
2011
著者名
工藤可苗
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荒尾徳三
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永井知行
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工藤 正俊
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西尾 和人
記事体裁
学会レポート
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全文記事
疾患領域
消化器
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癌
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その他
診療科目
消化器内科
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腫瘍内科
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その他
媒体
The Liver Cancer Journal
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。