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日本肝がん分子標的治療研究会

第3回優秀演題論文集 Session5 ソラフェニブ投与中急速に悪化したstageⅣ-B肝細胞癌症例に対する動注化学療法

永松洋明岩本英希中野聖士鳥村拓司佐田通夫

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.2, 68-69, 2011

はじめに
 進行肝細胞癌(HCC)に対する治療において,stageⅣ-Aに対する肝動注化学療法の有用性が報告されている1)2)。当院ではstageⅣ-Aに対してnew FP肝動注療法(NFP)3)を中心に行い,肝外転移がみられた時点でソラフェニブ4)へ変更している。しかし,ソラフェニブで効果がみられなかった場合,そのまま継続するべきか,再度ほかの治療へ変更するべきか判断に苦慮することがある。今回ソラフェニブ投与中,急速に悪化したstageⅣ-BのHCC症例に対し肝動注化学療法が有効であった3例を経験したので報告する。

症 例

■症例1:64歳,男性(図1)。

病 歴:肝左葉に腫瘍径170mm,右葉に32mm,左門脈一次分枝に腫瘍塞栓を伴うstageⅣ-AのHCCに対して2005年8月からNFPを開始した。PRが得られ同年12月にはリザーバー抜去し肝左葉切除を施行した。2009年9月,腹膜播種が出現しS-1内服などsystemic chemotherapy(SC)を行うも効果はなく,2010年3月からソラフェニブの800mg/日投与へ変更した。腹膜播種は放射線治療にてコントロールできたが,6月より急速に肝内病変の悪化がみられソラフェニブを中止し,肝動注療法目的に2010年6月入院となった。
血液生化学検査:Alb 3.1g/dL,T-Bil 0.4mg/dL,PT 88.4%,WBC 5,800/μL,Hb 8.9g/dL,PLT 14.1×104/μL,Child-Pugh score 6点,AFP 908ng/mL,AFP-L3 90.8%,PIVKA-Ⅱ 60,700mAU/mL。
臨床経過:肝動脈内リザーバー再留置後NFPを開始,NFPを5クール終了後肝内病変は著明に改善がみられ,PIVKA-Ⅱは6,400mAU/mLと低下した。2010年10月CT上PRが得られ,2011年2月現在生存中である。

■症例2:83歳,男性(図2)。

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