はじめに  進行肝細胞癌(HCC)に対する治療において,stageⅣ-Aに対する肝動注化学療法の有用性が報告されている1)2)。当院ではstageⅣ-Aに対してnew FP肝動注療法(NFP)3)を中心に行い,肝外転移がみられた時点でソラフェニブ4)へ変更している。しかし,ソラフェニブで効果がみられなかった場合,そのまま継続するべきか,再度ほかの治療へ変更するべきか判断に苦慮することがある。今回ソラフェニブ投与中,急速に悪化したstageⅣ-BのHCC症例に対し肝動注化学療法が有効であった3例を経験したので報告する。