要 旨
肝癌は世界で3番目に死亡数の多い癌である。近年,Raf/ERK経路を主な標的とする分子標的薬ソラフェニブが進行肝癌患者の生存期間を有意に延長することが示された。MAPKの一つであるJNKが肝発癌において重要であることが報告されている。そこで,われわれは39名の患者の肝組織をソラフェニブ治療前に採取し,JNK活性を測定した。ソラフェニブ有効群に比べて無効群においてJNK活性は有意に高値を示した。それに加えて,JNK活性はtime to progression(TTP)およびoverall survival(OS)と有意な負の相関を示した。また,JNK阻害薬はヌードマウスの皮下における腫瘍形成を有意に抑制した。JNK活性はソラフェニブ治療効果および予後予測因子として有用である。
全文記事
日本肝がん分子標的治療研究会
第3回優秀演題論文集 Session4-B MAPKに注目したソラフェニブの治療効果および予後予測因子の同定
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.3 No.2 66-67,
2011
著者名
櫻井俊治
/
萩原智
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上嶋一臣
/
工藤 正俊
記事体裁
学会レポート
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全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
/
その他
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
媒体
The Liver Cancer Journal
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。