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日本肝がん分子標的治療研究会

第3回優秀演題論文集 Session4-A 肝細胞癌に対するソラフェニブの治療効果判定方法の検討

―肝細胞癌におけるソラフェニブ投与後の腫瘍内血流変化とPIVKA-Ⅱの変化の関連―

大濱日出子井倉技今井康陽福田和人澤井良之小来田幸世土本雄亮牧野祐紀黒川正典関康宇戸朋之高村学

The Liver Cancer Journal Vol.3 No.2, 64-65, 2011

目 的
 本邦でも切除不能の肝細胞癌(HCC)に対しソラフェニブが使用可能になり1年以上が経つ。ソラフェニブは肝細胞癌の縮小を期待するものではなく長期投与により生存期間の延長を狙うものであるが,2010年9月の特定使用成績調査中間報告では,1ヵ月以上ソラフェニブが継続投与可能であったのは55%に過ぎなかった。

目 的(続き)

当院でもソラフェニブを投与した患者16人中1ヵ月以上継続できたのは9人(56%)で,3ヵ月以上の投与継続が可能であったのは4人(25%)に過ぎない。投与中止の原因は約半数(4/9)が肝機能低下や肝梗塞であった。したがって治療効果だけでなく,肝機能低下などの副作用を予測するバイオマーカーの同定が望まれている。ソラフェニブ投与後早期のPIVKA-Ⅱ上昇は治療効果予測のバイオマーカーになりうるとの報告があるが,今回,われわれは肝細胞癌患者において,ソラフェニブ投与後のPIVKA-Ⅱの変化に加え,ソラフェニブ投与後早期の腫瘍部,非腫瘍部の血流の変化を経時的にソナゾイド造影エコー(CEUS)で検討し,治療効果と肝障害のsurrogate markerになりうるか検討した。

対象と方法

 切除不能でRFAやTACE適応外,あるいはTACE不応例でChild-Pugh grade AまたはB,血小板7.5万/μL以上の肝細胞癌患者を2010年6月より登録しprospective studyを行った。ソラフェニブの投与量は体重50kg未満400mg/日,50kg以上600mg/日より開始とし副作用に応じ減量,休薬,中止した。投与前,投与後1,3,7,14,28日目に腫瘍マーカー測定,投与前,投与後3,7,14,28日目にソナゾイド造影エコーで血流評価を行った。また投与前,投与後28日目に造影CTを行いmodified RECISTで効果判定をした。血流評価はGE社製LOGIQ 7を用いてソナゾイド0.075mL/kgを肘窩静脈よりbolus shotし,腫瘍部と非腫瘍部でtime intensity curveを作成,peak intensity (PI),time to peak intensity (TtoPI),gradient (PI/TtoPI),area of under the curve during wash-in (PIまでのAUC)を計測して検討した(図1)。

結 果

 症例は6例,すべて男性で,年齢は中央値75歳(60~84),HCV4例,HBV1例,NBNC1例,Child-pugh score 5点が5例,7点が1例であった。HCC stageはⅢ~ⅣBで2例にVp3以上の門脈腫瘍栓を認めた。1ヵ月以上投与可能であったのは4例でソラフェニブの維持量は平均500mg/日であった。1ヵ月後の腫瘍効果判定ではPR 1例,SD 3例であったが,SDのうち2例には一部壊死を認めた。壊死を認めた3例ではPIVKA-Ⅱが漸増し2週間後に2~6倍に上昇した(図2)。

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