全文記事
日本肝癌研究会
第46回日本肝癌研究会
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.2 No.4 52-55,
2010
著者名
久保正二
記事体裁
学会レポート
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全文記事
疾患領域
消化器
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感染症
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癌
診療科目
消化器内科
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腫瘍内科
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放射線科
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消化器外科
媒体
The Liver Cancer Journal
「はじめに」第46回日本肝癌研究会が平成22年7月8~9日にかけて, 林紀夫会長(元大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学教授, 現関西労災病院長)のもとで開催された(写真1). 研究会参加者は約1,300人に及び, テーマも最近の話題を中心に肝癌の病態, 診断から治療にわたっており, すべての会場において白熱した議論が展開された. 特に肝細胞癌に対する各種治療法の長期成績やインターフェロン(IFN)や核酸アナログ製剤などの抗ウイルス療法の長期成績が明らかになってきたことから, それらに関するシンポジウムが組まれた. また, 新たな画像診断法, 分子標的薬, 最近増加しつつある非B非C型肝細胞癌, 種々の化学療法レジメンの開発により新たな展開をみせる転移性肝癌治療について, パネルディスカッションやワークショップが企画された. 「シンポジウム」シンポジウムとして組まれた「長期予後改善をめざした肝細胞癌治療―治療法の選択とその工夫」においては, ラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation;RFA)の長期成績が明らかになりつつあり, その適応を遵守すれば比較的高い局所制御能が得られ, RFAの利点を最も発揮できることや, 慢性肝疾患を併存する肝細胞癌症例に対しては, IFN療法や核酸アナログ製剤による抗ウイルス療法, 肝機能低下例に対する分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acids;BCAA)製剤の有用性が報告された.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。