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肝癌の局所治療―手術とRFAは本当に同等か?―
(2)優劣の実証
―SURF trialの構想―
掲載誌
The Liver Cancer Journal
Vol.2 No.1 33-40,
2010
著者名
長谷川 潔
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國土 典宏
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建石 良介
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椎名秀一朗
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幕内雅敏
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SURF trialプロトコル作成委員会
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
The Liver Cancer Journal
「Summary」SURF trialは, Child-Pugh scoreで7点以下の肝機能, かつ3個以下3cm以下の腫瘍条件を満たす初発典型的肝細胞癌に対する肝切除とラジオ波焼灼療法(RFA)の有効性をランダム化比較試験(SURF-RCT)にて検証することを主たる目的としている. 目標症例数は片群300例, 総数600例で, 生存と無再発生存を主評価項目とし, それぞれで10%の差を検出しうるデザインである. また, 前向きコホート研究(SURF-cohort)を併施し, どのような症例がSURF-RCTに登録されたかがわかるようになっている. 2006年11月より研究プロトコルを作成し始め, 2009年4月より症例登録が開始された. 本研究により, 長年の懸案である「肝細胞癌に対して, 手術とRFAは本当に同等か?」という問いへの客観的な回答が得られると期待される. 「はじめに」原発性肝癌の死亡数は年々増加し, 2007年には年間約3万3千人が死亡しており1), 部位別悪性新生物の死亡率では男性で第4位, 女性で第6位, 全体で第4位に相当する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。