はじめに  2011年6月15日から18日まで,スイスのルガノでICML-11が開催された。この会議はこれまで3年に1回開かれる国際会議で,「リンパ腫のワールドカップ」とも呼ばれており,世界中の著名なリンパ腫研究者が一堂に会する一大イベントである。悪性リンパ腫の基礎医学および臨床医学に関する3年間の進歩は,この会議に参加すればほぼ網羅でき,4日間文字どおりリンパ腫漬けの毎日を送ることになる。第1回の1981年の会議の参加者はわずか100名ほどであったが,会の規模と参加者は年々増加の一途をたどり,今回は3,020名の事前登録参加者が76ヵ国から訪れたことがアナウンスされていた。  ICMLでは毎回,応募演題の10%が口演,20%がポスター発表となる狭き門であることがアナウンスされている。筆者は1999年以来今回で5回目の参加となるが,ICMLとは相性がよいのか演題は3度目の口演として採択された。参加者の増加に対応すべく,今回はいつものパラッツォ・ディ・コングレッシに加え,ルガノ大学と近くの映画館が会場になった。筆者の口演会場はルガノ大学であった。